転勤などの事情で、ご家族全員で引っ越しとなると、お子様がいるご家庭はお子様の転校の必要性が出てきます。
特に高校生のお子様が居られる、ご家庭の親御さんは一番頭が痛く難しい問題になるのではと思われます。
義務教育の小中学校の転校とは違い、いくつかの条件や手続きが必要となります。
しかも、就職や大学進学を控えた大切な時期の転校となります。
高校生が転校する場合は義務教育の小中学校とは異なる手続きになります。
同じように考えていると、いざ手続きを始めた時に戸惑う事になりかねません。
また、転校先が公立高校なのか私立高校なのかによっても手続きが異なります。
此処では、高校生のお子様をお持ちの親御さんに転校先の探し方や手続きの仕方及び流れそして転校先を決める際の注意点などをお伝えさせていただきます。
高校行っている途中で引っ越す事になったらどうなる?転校先の探し方及び手続きの流れ
☆転校(転入)と編入の違い
まず最初に、勘違いしやすい転校(転入)と編入について簡単ご説明させていただきます。
転校(転入)とは、現在の学校に在籍していて、何かの理由で別の学校へ入学する事を言います。
次に編入とは、何らかの事情で、一度学校をやめて(退学して)から別の学校へ入学する事を言います。
転校(転入)の場合の特徴
- 転校する高校に移るまで空白の期間がない
- 同学年の生徒と卒業できる(単位が足りている場合)
- 転校するには試験に合格しなければならない
- 全日制高校へ転校の場合は条件がある(下記、公立高校の転校の条件参照)
編入の場合の特徴
- 前の学校で修得した単位を引き継げる
- 中退してからの入学なので、空白の期間がある
- 同学年の生徒と一緒に卒業できない
- 履歴書に「高校中退」と記載しなければならなくなる
- 試験に合格しなければならない
*引越しによる場合の入学は、転校(転入)という事になります。
転校の手続きはいつまでにすれば良いか
転校の手続きはいつまでにすれば良いか。
これは言うまでもなく、引っ越しが決まったら直ぐに行動しましょう。
とにかく高校生の転校は簡単では有りません。人生を左右すると言っても大袈裟ではないでしょう。
お子様の人生が掛かると言ってよいぐらい重要な事ですので、引っ越す間際になって、まだ転校先の学校が決まっていないなんて事にならないようにしなければなりません。
引っ越しする事が決まり次第、何よりも真っ先に行動することが重要です。
転校の流れ
- 現在、通学している学校の担任に引っ越しが理由で転校をする旨を伝え転校する準備をする。
学校で「在籍証明書(在学証明書)」「成績証明書(単位修得証明書)」「転学照会書(在籍校校長の照会書)」などの必要書類を用意してもらいましょう。 - 担任と引っ越し先で転校出来そうな学校を相談して探しましょう。
- 希望校が公立高校の場合は、引っ越し先の教育委員会に相談してみましょう。
- 私立を希望の場合は各都道府県には「私学協会」が有りますので電話をして相談してみましょう。
URL https://chukoren.jp/association2/link1/
上記、URLで検索すると各都道府県の「私学協会」の問い合わせ先や「編入・転入」に関する受け入れ情報が出ています。
転校する学校(公立)が決まった場合の流れ
- 転校先が見つかれば、希望者から希望の学校へ問合せをして、欠員などの有無や転校が可能かを確認する。
公立高校は欠員がないと、転校を受け入れてくれませんので必ず確認が必要です。 - 転校が可能なら、在籍校から希望校へ連絡してもらい「転学照会」などをしてもらいましょう。
「履修状況」など在籍校と希望校の教育課程の進行度の確認をして、転校が可能かを判断してもらう事になります。 - 転校が可能と決まれば、出願書類(転入学願書・転入学事由書)を在籍校経由で希望校に提出するとともに、受験料・在籍証明書・成績証明書なども一緒に提出する事で出願の受付になります。
学校によっては、追加の書類(住民票など)が必要になる場合もありますので、希望する学校に確認して下さい。 - 転入試験
全日制高校の場合の転入試験の内容は国語・数学・英語の試験と面接を行うのが一般的です。 - 合否発表(試験当日に合否が決まります)。
- 見事合格ならばその日に転入学の手続きや入学にいるお金が必要になる場合も有りますので、先に確認しておきましょう。
公立高校及び私立高校への転校の条件
公立高校への転校の条件
- 転校出来る期限がある
☆公立は年3回(1学期・2学期・3学期)有ります。
1学期は3月の上旬、2学期は7月の上旬・3学期は11月の下旬に募集状況が発表されますので確認しましょう。
☆願書の受付や試験の日も確認しておきましょう。
また、やむを得ない事情の場合は正規のタイミング以外での受け入れが認められる場合も有りますのでどちらにしても学校へ確認して下さい。 - 希望する学校に欠員がある(公立の場合)
各都道府県によって違いますが、高校の欠員募集は年3回(各学期)に実施されます。 - 公立・私立に関わらず、転入試験があり合格しなければなりません。
- 他府県からの転校であること(公立)。
- その他、転校先の学校や各都道府県の定める条件を満たす必要があります。
- 注意しなければならないのが、現在通っている学校の出席日数が登校日の3分の1以下の場合は、転校が認められない可能性が有ります。
また、現在通っている学校の出席日数や単位修得状況により、転校する高校の学年が決まります。 - 公立(全日制)の場合は、原則やむを得ない理由がない限り転校を受け入れてはもらえません。
☆やむを得ない理由とは
- 他府県からの引っ越し
- 海外からの帰国
- いじめや不登校など
- 親の転勤に伴う引っ越し
学校や自治体によって微妙に条件は異なりますので、転入先の教育委員会に確認して下さい。
私立高校の転校の条件
- 私立高校の場合は学校によって対応が違います。随時転校を受け入れている所もあれば、学期途中の転校は認めていないところも有りますので、学校に確認して下ださい。
- 私立高校の場合も欠員があれば、途中の転校は可能な学校も有りますので、希望する私立高校へ問合せして下さい。
- 私立も公立同様、転入試験があり合格しなければなりません。
提出する書類
- 願書
- 住所または転居先が確認できる書類
- 在学校校長の発行した転学照会書
- 在学証明書
- 成績証明書
- その他、必要な書類(学校によって違います)
通信制高校について
通信制の高校は毎月募集している所も有ります。
転入できる時期は学校によって違います。
転校の条件は
- 一般的な公立の通信教育の入学の条件はその都道府県内に住所や勤務地が有り住んでいることが条件となります(全国から生徒さんを募集しているような通信制の高校も有ります)。
- 書類審査と面接だけというところが多いです。
- 年齢制限は有りません。
- 健康に不安がある人は入学出来ません。
- 学力に不安が有ったり、人と関わりを持つことが苦手な人でも大丈夫です。
- 必要な書類を用意する
在校もしくは在籍していた学校に必要な書類を発行してもらう。
通信教育は幅広く受け入れる体制を取っています。
転校の流れ
- 願書を取り寄せる
- 必要な書類を入手して提出
- 入学願書などの必要な書類を郵送する
- 書類審査・面接・試験がある所は学力試験
- 合否の決定
- 合格なら、入学の手続き
役所での手続き
届け先 | 代理人 | 手数料 | 受付時間 | 必要な資料 | |
公立高校 | 教育委員会窓口 | 可能 | なし | 開庁時間帯 | 各都道府県に より違うので 引っ越し先の 教育委員会に 確認する |
私立高校 | 学校の窓口 | 可能 | なし | 学校開校時間 |
まとめ
高校生の時の引っ越しによる転校は、お子様にとっては非常に心の負担が大きいでしょう。
特にお子様の将来にも直結する重大な出来事になりますので、選択肢として「転校する」か「遠距離通学」か、それとも「近くの親戚」やとりあえず「単身赴任」などいろいろな選択肢を考えてあげて下さい。
お子様は慣れ親しんだ場所や仲の良い友達と別れなくてはならないうえに、転校する学校の入学試験や面接なども行わなくてはならず、しかも無事に転校できるかどうか分からない状況で転校先が決まるまでは不安な気持ちで一杯だと思います。
転校する学校が決まっても、新しい環境や新しい友達と仲良くなれるかなどの不安も覆いかぶさってきます。
この複雑な気持ちは子どもさん本人にしか分からない事でしょう。
親御さんは出来る限り、子どもさんのお気持ちを聞いてあげ、子どもさんが納得できる転校の方法を考えてあげて下さい。
引越しの作業などで忙しいとは思いますが、上記に記したように、いろいろな選択肢を話し合って考えてあげて下さい。
そして、子どもさんが納得できる方法を取ってあげる事が重要です。
最後に転校先の学校が決まった段階で、見学に行くことをお勧めします。
実際に学校や新しい友達など雰囲気を知る事で、かなりの不安解消に繋がるでしょう。