引っ越しを考えている方にとって、引っ越しの補助金は大きなメリットです。
しかし、引っ越しの補助金には様々な種類や条件があります。
この記事では、引っ越しの補助金について詳しく解説し、上手に活用する方法をご紹介します。
引っ越しの補助金とは何か？(定義・目的・種類)について
まずは、引っ越しの補助金とは何かについて、定義や目的、種類を説明させて頂きます。
引っ越しの補助金の定義
引っ越しの補助金とは、引っ越しにかかる費用や住宅の確保などに対して、国や自治体などが支給する給付金や減税などの制度の総称です。
引っ越しの補助金は、引っ越しをする人々に対して、経済的な負担を軽減したり、新しい生活を快適にしたりするために提供されます。
引っ越しの補助金の目的
引っ越しの補助金の目的は、様々な社会的課題やニーズに応えるためです。例えば、以下のような目的があります。
- 結婚や出産などのライフイベントを契機に、若い世帯を支援することで、少子化対策や人口流動を促進する。
- 低所得者や生活困窮者などが住宅を確保することで、生活保護の受給者数を減らしたり、生活安定や自立支援を図る。
- 新築や中古住宅を購入することで、住宅市場や建設業界を活性化したり、住宅ストックの有効活用を促進する。
- 都市部から地方へ移住することで、地方創生や地域活性化を推進したり、都市部の過密化や地方の過疎化を解消する。
- 子育て世帯や学生、障害者や高齢者などが引っ越しすることで、子育て支援や教育支援、福祉支援などを強化したり、多様な世帯のニーズに応える。
引っ越しの補助金の種類
引っ越しの補助金の種類とは、引っ越しにかかる費用や住宅の確保などに対して、国や自治体などが支給する給付金や減税などの制度の総称を言います。
引っ越しの補助金には、以下のようなものがあります。
- 結婚新生活支援事業
結婚を機に引っ越す若い世帯に対して、最大60万円の給付金を支給する事業です。 - 住宅確保給付金
低所得者や生活困窮者などが住宅を確保する際に、敷金や礼金などの初期費用や家賃の一部を支給する制度です。 - 住宅ローン減税
新築や中古住宅を購入する際に借りた住宅ローンの利子に対して、所得税や住民税を減税する制度です。 - 地方移住支援金
都市部から地方へ移住する際に、移住先の自治体が支給する給付金や減税などの制度です。 - 子育て世帯や学生、障害者や高齢者などの特定の世帯向けの補助金
子育て世帯や学生、障害者や高齢者などが引っ越しする際に、家賃や光熱費などの生活費を支援する制度です。
これらの引っ越しの補助金は、引っ越しにかかる費用を削減したり、新しい生活を快適にしたりするために役立ちます。
しかし、これらの補助金を受けるためには、それぞれに決められた条件や手続きがあります。次の項では、それらについて詳しく説明します。
引っ越しの補助金について
それでは各補助金を受けるための条件と手続きについて説明させて頂きます。
結婚新生活支援事業
結婚を機に引っ越す若い世帯に対して、30万(30歳以上39歳以下)～最大60万円(29歳以下)の給付金を支給する事業です。
- この事業は、国が行っている「子育て世帯等住宅支援法」に基づくもので、都道府県や市区町村が実施しています。
- 給付金の対象となるのは、婚姻日時点の年齢が39歳以下の世帯で、所得が夫婦合わせて400万未満であることが条件となります。
- 対象期間は各自治体によって異なります。
- 対象になる補助金は、主に新居の住宅費用と引っ越し費用です。
- 対象の補助金の項目は以下になります。
①新居の購入費
②新居の家賃、敷金・礼金、共益費、仲介手数料
③新居のリフォーム費用
④引っ越し業者や運送業者に支払った引っ越し費用
申請に必要な書類を市区町村役場に提出する事になります。
①申請に必要な書類を揃える
結婚届受理証明書や入籍後の戸籍謄本、住民票の写し、所得証明書、賃貸契約書など
②申請したい費用がわかるもの
住宅費用や引っ越し費用の領収書など
③注意事項
１各市町村で申請書フォーマットが異なるので注意
※申請書は各自治体のHPよりダウンロードできる場合もあります
２自治体によって提出する書類などが異なりますので、先に確認しましょ
う。
３申請期限は、引っ越し日から3か月以内です
以上が結婚新生活支援事業についての説明です。この事業を利用することで、新婚生活を始める際にかかる費用を少しでも抑えることができます。
引っ越し助成金
自治体独自の助成金で転入や、Uターン・Iターン者に対してする助成です。
引っ越しに掛かる費用や家賃のほか、商品券の交付や現物支給する自治体もあります。
支給の有無は自治体によって違いますので、事前に確認しましょう。
住宅確保給付金
低所得者や生活困窮者などが住宅を確保する際に、敷金や礼金などの初期費用や家賃の一部を支給する制度です。
所得が一定額以下で、離職や廃業、休業などにより収入が減少し、住居費の支払いに困っている方が対象です。
住宅の賃貸契約が一定期間以上であること、敷金や礼金などの初期費用が一定額以下であることなどが条件の給付金。
申請は住民票の有る市区町村の福祉事務所で行います。
必要な書類は、申請書や収入証明書、家賃契約書などです。
申請書は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。
給付金の額は、基準額と家賃額と世帯収入額の差額で決まります。
住宅ローン減税
新築や中古住宅を購入する際に借りた住宅ローンの利子に対して、所得税や住民税を減税する制度です。
購入した住宅が自己居住用であることや、購入した年の確定申告を行うことなどの条件が有ります。
申請は税務署で行います。
減税の受けるための条件
新築物件①住居の新築・購入から6か月以内に入居すること
②所得が2000万以下であること
③入居年とその前後2年以内に、譲渡所得の課税の特例(3000万円特別控
除、買い替え特例など)を受けていない
④住宅ローンの返済期間が10年以上
⑤床面面積(登記簿面積)が50㎡以上(条件付きで40㎡)
⑥床面積の半分以上が自己居住用
①上記、①～⑥の条件を満たすこと及び以下の条件
②建築後20年以内(耐火建築物は25年以内)であること
③住宅ローンの借入先や購入が生計を一つにする親族ではないこと
④贈与されてないこと
①購入した住宅が自己居住用であること
②勤務先からの借り入れの場合は無利子又は0.2%未満の利率でないこと
③土地を購入してから2年以内に家を建てること
①上記、①～⑥の条件を満たすこと及び以下の条件
②自己が居住する為の住宅のリフォームであること
③省エネリフォーム、バリアフリーリフォーム、耐震リフォームなど
④リフォーム費用が100万円以上
⑤店舗併用住宅の場合は、居住部分のリフォームにかかる費用が2分の以上であること
☆ここでポイントです
年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の0.7%が10年間(特例が適用の場合13年間(令和4年度改正))渡り所得税の額から控除されます
申請の手続き
申請は税務署で行います。
申請の方法は初年度と2年目以降、または自営業者かサラリーマンかによって違います
注意点
- 初年度の住宅ローン控除の申請は、入居した翌年の確定申告で行います。
- 2年目以降は、自営業者は確定申告、サラリーマンは「収入が2000万以上」「給与所得や退職金以外の所得が年間20万円以上」の場 合は確定申告を行います。
- それ以外のサラリーマンは2年目以降は年末調整の対象となります。
必要な書類
確定申告と年末調整時で必要な書類が変わりますので、税務署及び会社で確認しておきましょう。
地方移住支援金
都市部から地方へ移住する際に、国の支援のもと移住先の自治体が支給する給付金や減税などの制度です。
移住する際に、移住先の自治体が定めた条件を満たすことが必要です。
条件は自治体によって異なりますが、一般的には、移住先での就職や起業、子育てや地域活動などが求められます。申請は移住先の市区町村で行います。
東京23区に在住または通勤する方で、東京圏外へ移住して、就職か起業を行う方が支給対象となります。
最大100万円の支援を受ける事が出来ます。
注意点
引っ越し先の自治体が支援制度の対象かを確認しましょう。
子育て世帯や学生、障害者や高齢者などの特定の世帯向けの補助金
子育て世帯や学生、障害者や高齢者などが引っ越しする際に、家賃や光熱費などの生活費を支援する制度です。
これら上記の引っ越しに関する補助金は、引っ越しにかかる費用を削減したり、新しい生活を快適にしたりするために役立ちます。
しかし、これらの補助金を受けるためには、それぞれに決められた条件や手続きがありますので、事前に確認しておく事が必要となります。
引っ越しの補助金を受けるメリットと注意点（費用削減・生活改善・制度変更・返還義務）及びデメリット
- 費用削減
引っ越しにかかる費用を一部または全額補助してもらえるため、経済的な負担を軽減できます。 - 生活改善
引っ越しによって住環境や就職環境が改善される可能性があります。例えば、結婚や出産などのライフイベントに合わせて住宅を購入したり、雇用状況が不安定な場合に他県への就職や転職をしたりすることができます。
- 制度変更
引っ越しの補助金は自治体や事業所によって異なり、年々変わることがあります。そのため、事前に最新の情報を確認する必要があります。 - 返還義務
引っ越しの補助金は条件付きで支給される場合が多く、条件を満たさなくなった場合には返還しなければならない場合があります。
例えば、移転費は移転先で1年以上働くことが条件ですが、1年未満で退職した場合には全額返還しなければなりません。
- 手続きの煩雑さ
引っ越しの補助金を受けるためには、申請書や必要書類を提出したり、審査や面接を受けたりする必要があります。 - 必要書類を提出したり、審査や面接を受けたりする必要があります。
これらの手続きは時間や労力がかかる場合があります。 - 制約の多さ
引っ越しの補助金を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。
例えば、住宅確保給付金は所得や家賃などに上限がありますし、広域求職活動費や移転費は他県への就職や転職が必要です。
これらの条件によって、自分の希望する引っ越しや住宅選びに制限がかかる場合があります。
以上が引っ越しの補助金を受けるメリットと注意点及びデメリットについての説明です。
引っ越しの補助金を受けるかどうかは、自分の状況や目的に応じて判断する必要があります。
引っ越しの補助金を上手に活用するためには
- 自分がどの補助金の対象になるかを調べる
引っ越しの補助金は、住宅確保給付金や広域求職活動費など、さまざまな種類があります。
自分がどの補助金の対象になるかを調べることで、受けられる補助金の範囲や金額を把握できます。 - 申請期限や必要書類を確認する
引っ越しの補助金は、申請期限や必要書類が決められています。
申請期限を逃したり、必要書類が不足したりすると、補助金を受けられない場合があります。
申請期限や必要書類を確認することで、スムーズに申請できます。 - 複数の補助金を併用する
引っ越しの補助金は、複数の補助金を併用できる場合があります。
例えば、住宅確保給付金と広域求職活動費を同時に受けられる場合があります。
複数の補助金を併用することで、引っ越し費用を大幅に減らすことができます。 - 自治体や事業所の独自の支援制度を利用する
引っ越しの補助金は、自治体や事業所によって独自の支援制度が設けられている場合があります。
例えば、移住・定住促進やオフィス移転などに関する支援制度があります。
自治体や事業所の独自の支援制度を利用することで、引っ越し費用をさらに抑えることができます。
まとめ
この記事では、引っ越しの補助金を上手に活用する方法について詳しく解説しました。
引っ越しの補助金は、国や自治体が引っ越しにかかる費用や住宅の確保などに対して支給する給付金や減税などの制度の総称です。
その目的は、社会的課題やニーズに応えるためであり、結婚や出産などのライフイベントによる若い世帯の支援、低所得者や生活困窮者の住宅確保支援、住宅市場や地域の活性化、地方移住や福祉支援などがあります。
引っ越しの補助金には、結婚新生活支援事業、住宅確保給付金、住宅ローン減税、地方移住支援金などさまざまな種類があります。
これらの補助金を利用することで、引っ越しにかかる費用を削減したり、新しい生活を快適にすることができます。
各補助金を受けるためには、それぞれに条件や手続きがあります。例えば、結婚新生活支援事業では年齢や所得などの条件があり、申請書や関連書類の提出が必要です。
住宅確保給付金では所得や住宅契約の条件があり、申請は福祉事務所で行います。住宅ローン減税では自己居住用住宅の条件や確定申告が必要です。
補助金を上手に活用するためには、まずは各種補助金の内容と条件を確認し、申請に必要な書類を用意することが重要です
また、申請期限や手続きの流れにも注意が必要です。自治体ごとに異なる場合もあるため、事前に確認することが推奨されます。
引っ越しの補助金を利用することで、経済的な負担を軽減し、新しい生活をスムーズに始めることができます。
是非、上記の情報を参考にして、引っ越しの補助金を上手に活用してください。