賃貸住宅から賃貸住宅への引っ越しは、複雑でストレスのたまる作業となります。
その中でも一番厄介なのが、新・旧住宅の家賃を同時に支払わなければならなくなる「二重家賃」の問題です。
二重家賃を支払う期間を短くするには、「退去日」と「入居日」を同日にする事ですが、自身の仕事や家族の都合及び引っ越し業者との兼ね合いなどもあるので簡単ではありません。
一番理想なのは「退去日」と「入居日」を同日にする事になるのですが、自身の仕事や家族の都合及び引っ越し業者との兼ね合いなどもあるので簡単ではありません。
また、賃貸契約で退去が「日割り計算」ではなく「月払い」の契約になっていると月の途中の退去でも1か月分の家賃を支払う事になるので、意味がありません。
この記事では、引っ越しの際に必ず起こる二重家賃を少しでも防ぐために、新居の賃貸契約を結んだあと、現住居の解約の申し出をする最適なタイミングや二重家賃を少なくするポイントなどについて説明します。
引っ越し時の二重家賃を少しでも防ぐために、ぜひ参考にしてください。
引っ越しで二重家賃を防ぐための回避術とポイント
引っ越しの際、家賃の二重払いを防ぐためには、新居の賃貸契約を結ぶタイミングと現住居の解約の申し出をするタイミングをよく考えて行うことが重要です。
また、一般的には入居月は契約をした日から「日割り」計算をします。
退去する場合は日割り計算ではなく、「一月分」の賃貸料が必要になる場合がほとんどです。
例えば、「一月分」の契約になっている場合は月初めの1日に退去しても、その月はまるまる一月分の賃料を支払わなければならないという悲しい事態になります。
なぜ二重家賃が発生するのか?
引っ越しする事が決まったら、先ずは現住居の解約の申し出を退去する予定日の一月前にしなければなりません。
例えば、現住居を2月の末日に退去して、3月1日に新居に入居の場合、現住居の解約の申し出は一月前の1月31日までに申し出なければなりません。
もし、解約の申し出を2月10日まで忘れてしまっていた場合、契約終了は引っ越しをした後の3月10日になります。
そうなった場合、家賃が「日割り」でも引っ越し後10日間は空家賃を払う事になってしまい新居と旧居の家賃の二重払いが10日間発生する事になってしまいます。
「一月分」の契約なら、まるまる3月分の家賃を支払わなければなりません。
具体的に二重家賃が発生する事例を見て行きましょう
☆現住居の解約を申し出る期間が「一月前」の賃貸契約の場合について説明します。
一般的に賃貸物件を退去するには、一月前に解約の申し出をしなければなりません。
解約の申し出をした日から、一月後に退去する事になります(家賃の支払いが終了するという事になります)。
一方、新居の入居日を退去日より早くにしてしまう事で、入居日と退去日の重なった部分で二重の家賃が発生する事になります。
ここでポイントです
- 旧居の解約の申し出が遅れたり忘れたりしないように注意しましょう
- 解約の申し出後の期間が退去前の2か月や3か月前と長い契約の場合は、引っ越し先の新居の入居日が少しでも先の物件を探すようにしましょう
- 新居物件の申し込みをしてから、2週間~1か月後には新居物件の家賃が発生する場合も有ります。
入居日がいつになるかを契約時に確認しましょう。
例えば例をあげると
①12/23に引っ越し先の新居を申し込む
②12/26に審査合格
③審査合格が決まったら、契約をして入居日を確定する
④入居日が確定したら現住居の解約の申し出をする
⑤入居日が確定した日から新居の家賃が発生します
退去日が入居日より後になると新旧住居の家賃が二重で発生します
入居日が確定したら引っ越し業者の選定を忘れないようにしましょう
現住居の解約の申し出する時の注意点
先ほどもお伝えしましたが、現住居の解約の申し出を大家さんや管理会社に伝えるのは1か月前が一般的ですが、中には2か月前や3か月前という場合も有りますので、前もって自身の賃貸契約書を確認しておきましょう。
知らずにのんきにしていると、退去しているにも関わらず更に1~2か月の間,空家賃(二重家賃)を支払う事になりかねません。
解約の申し出が2~3か月前の場合は、出来る限り新居の入居日を遅らせる事が必要になります。
解約の申し出するタイミングは非常に難しく、タイミングが悪ければ、それだけ二重家賃を支払う期間が長くなってしまいますのでよく考えて行うことが重要です。
もし、仕事の都合で入居を遅らせる事ができない場合は、大家さんや管理会社にダメもとで交渉してみましょう。
ここでポイントです
- 回避術になるのですが、今後新居を探す時は前もって、退去通知の期間を確認して把握しておく事が、次の引っ越し時の二重家賃を防ぐ方法の一つになります。
- また、契約時に「退去時」も日割り計算の物件を探せれば、二重家賃の期少なくなくする事が出来るでしょう。
「入居日」と「退去日」が決まる要因
入居日が決まる要因とは
※入居日 ⇒ 家賃が発生する日。
それでは、その入居日(家賃の発生する日)はどのように決まるのでしょうか?
入居日(家賃の発生する日)が決まる要因は「契約した日」「入居した日」なのか賃貸物件によってまちまちです。
普通は「空き室」の賃貸物件ならば、入居の審査が通ってから、2週間以内には入居日が決まり家賃が発生します。
仲介不動産会社が入居審査に合格した段階で希望する入居日を確認してきますので、その時に希望する入居日を伝える事になります。
但し、入居者の都合よくとはいきません、二重家賃を防ぎたいが為に、余りにも都合の良い入居日は難しいかもしれません。
しかし、根気よく交渉する気持ちも必要なので、二重家賃の期間を減らすためにも常識的な範囲で交渉はしてみることは必要です。
その他、前の入居者が居た物件は、退去後のハウスクリーニングや修繕などが終わってから入居となりますので、賃貸物件によって入居日は異なります。
その場合、入居日がいつになるかを仲介不動産会社に確認して入居日を確定しましょう。
退去日が決まる要因とは
次に、退去日を確定するには現住居の解約の申し出をしなければなりません。
先ず大家さんか管理会社へ電話で退去する旨を伝えてから、解約の書類が必要な場合は書類を揃えて提出する流れになります。
どのタイミングで退去日は決まるのか?
①大家さんや管理会社へ退去する旨を伝えた時なのか?
②必要な書類が大家さんや管理会社へ届いたときなのか?
どちらの要因で退去日が確定するのか、こちらも退去する旨を伝えた時に確認しておきましょう。
更新日について
賃貸物件には更新日が有ります。引っ越し業者などの手配が付かずに、更新日までに退去できなければ、家賃以外に更新料も発生してしまう可能性が有りますので注意しましょう。
また、次の入居者の受け入れもあり、旧居の清掃やリフォームなどの手配がされていたりすると難しい場合も有るので、必ず引っ越し業者や退去できる日を確定させてから、退去通知をするるのが理想です。
二重家賃を回避する時のポイントと回避案
ここからがこの記事のメインイベントになります。
誰でも無駄な二重家賃は払いたくないですよね。
引っ越しなどで出費は出来る限り抑えたいものです。
◆ここでは二重家賃を防ぐ為のポイント3点と回避案をお伝えします。
①先ず一つ目が現住居の退去日がいつになるかを確認して確定します
②次が新居の家賃が発生する日を確認しましょう。
入居月は「日割り賃料」になります。
③三つ目ですが、新居の入居日が決まってから解約の申し出を行いましょう。
一度提出した解約の申し出を取り下げる事は難しく、現住居を出る日は決まっているのに、新居が決まらないなんていう事にならないようにしましょう。
ここでポイントです
「退去日」と「入居日」の間隔を短くする事1点に集中して交渉する事です。
「退去日」と「入居日」の差が近い程、二重家賃を支払う期間が少なくなります。
二重家賃の回避案4つ
①フリーレント付き賃貸物件
フリーレント賃貸物件は一定の期間の家賃が無料になるという物件で初期費用を押さえられるので魅力では有りますが、二重家賃を回避するために絶対数が少なくなるフリーレント物件から決める事になり選択範囲が狭まるため、二重家賃を回避するために慌てて、自身の希望やライフスタイルに合わない物件を選ぶ事に繋がる可能性も考えられるのと、契約期間内で退去する場合は違約金を払わなくてはならない点及び家賃の相場が少し高めに設定されているというデメリットが有るので、長い目で見るとマイナス面もあるので慎重に決めるべきです。
但し、自身の希望に近い物件があれば、文句なしにフリーレント物件は二重家賃を防ぐお勧めの物件となるでしょう。
もし、日程の調整が上手くいかず二重家賃が発生するならば、不動産会社に新居の物件がフリーレントではなかってもフリーレント契約に出来ないか交渉してみるのも一つに方法です。
②ウィークリーマンション
退去日と入居日のスケジュールが合わずに、どうしても二重家賃の期間が長くなってしまう場合は、一時しのぎでウィークリーマンションを利用するのも一つの手段になります。
その間の荷物はトランクルームを利用すれば大丈夫です。
ウィークリーマンションなら週単位や今は1日のみの利用でも契約が出来る所も有るので非常に使い勝手はいいかもしれません。
例えば月の中日が退去日の場合は、2週間をウィークリーマンションで過ごして、新居の入居日を月の始めの1日にすれば二重家賃を防ぐことが可能となります。
料金システムは「1日の賃料×日数」が一般的です。その他「光熱費×日数分」も必要になります。
敷金・礼金はもちろん有りませんが、管理会社によって契約手数料や管理費がかかる所も有ります。
また、一度荷物を別の場所に預ける事になるので、その分の費用が発生する可能性が有るのと退去時の清掃費が掛かるので注意しなければなりません。
③新居の家賃の発生する日と旧居の退去日を同日にするように交渉する
例えば、現住居の退去日が一月先ならば、新居の家賃の発生する日を待ってもらうように交渉してみてはどうでしょうか。
④新築の物件やリフォーム中で入居日が直ぐではない物件を探す
まだ、完成していない新築の物件やリフォーム中の物件は入居まで時間がかかるので好都合です。
過去の経験談
参考になるかどうかですが、私は過去に6回の引っ越しをしておりますが、全て退去日と入居日を同じ日にしており、二重家賃の経験は有りません。
現住居も新居及び引っ越し業者全てに入居日と退去日並びに引っ越し日を交渉で同じ日にして貰う事が出来きたのが要因でした。
二重家賃を回避出来た要因3点
①まず、6度の引っ越しが閑散期の移動だったこと。
閑散期は賃貸物件の需要も少なく、引っ越し業者も暇な時期なので交渉が可能になったのだと考えます。
②次に引っ越し先で一番遠いところが片道2時間程度と近距離だったことも要因の一つになりました。
遠方の引っ越しなら、交渉も難しくなるので二重家賃を覚悟したと思います。
③三つめは、諦めたり・面倒くさがらずに粘り強く交渉する事重要になります。
強い気持ちが大事です。無駄な出費を抑えたいと思う気持ちが背中を押してくれました。
上記は私の経験であって、現実は簡単ではないかもしれませんがチャレンジする意味はあるのではないでしょうか。
希望日に引っ越しをする事や現住居の家賃を退去時に日割りにして貰う事はそう簡単ではありません。あくまでも参考です。
まとめ
二重家賃を極力避けるためには、引っ越しのタイミングを上手く調整することが重要になります。
しかし二重家賃を避ける事だけに重点を置いてしまい、気の進まない物件を焦って契約する事で、後で後悔する事になってしまうと元も子も有りません。
ある程度の二重家賃は覚悟しなければならないかもしれないでしょう。
しかし、1日でも二重家賃を少なくできるようにする事を念頭においてチャレンジする事が重要です。