引っ越しをすると、さまざまな手続きをしなければなりません。
「国民健康保険」の住所変更の手続きもその一つです。
「国民健康保険」とは自営業者や農業漁業従事者、学生及び無職の方が加入している保険の事を言います。
「国民健康保険」の住所変更手続きには期限があります。
引っ越し時は何かと忙しいでしょうが、転居後14日以内に住所変更や新規加入の手続きを行わなくてはなりません。
手続きが遅れると保険診療を受けることが出来きなくなってしまいます。
変更の手続きをする際は「異なる市区町村へ引っ越しの場合」と「同じ市区町村へ引っ越しの場合」とで手続きの仕方が変わりますので注意しましょう。
この記事では健康保険証の住所変更の手続きの仕方及び注意しなければならないポイントなどをお伝えさせていただいております。
この記事をお読みいただければ、引っ越し時の国民健康保険の手続きの流れを知っていただけ、手続きをスムーズに行う事ができるでしょう。
異なる市区町村へ引っ越しする場合
異なる市区町村へ引っ越しする場合の国民健康保険の手続きは元の自治体で「資格喪失届」の手続きをし、引っ越し先の自治体で「新規加入」の手続きを行う事になります。
その時、現在お持ちの保険証を返却して、引っ越し先の自治体で国民健康保険を新規で再加入する事になります。
異なる市区町村の場合 | ||
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手続する所 | 旧住所地の自治体の国保の窓口 ですること | 引っ越し先の自治体の 国保の窓口 ですること |
手続きの内容 | 転出届提出時に「資格喪失」の手続を同時にする | 転入届提出時に「新規加入」 手続きを同時にする |
本人申請時に必要な物 | ・保険証 ・本人確認書類 (免許所・パスポートなど) ・マイナンバー | ・本人確認書類 (免許所・パスポートなど) ・マイナンバー |
代理の有無 | 代理人可 (代理申請の場合 ) ・委任状 (申請人の自署押印が必要) ・印鑑 ・本人確認書類 が必要 | 代理人可 (代理申請の場合 ) ・委任状 (申請人の自署押印が必要) ・印鑑 ・本人確認書類 が必要 |
提出期限 | 転出後14日以内(引っ越し前から手続き可能) | 転入後14日以内(引っ越し 前から手続き可能) |
郵送の可否 | 郵送可 | 郵送可 対応していない自治体も有るので確認が必要 |
此処で、ポイントです
- 自治体によっては保険料の納付は口座振替のみのところも有りますので、通帳など口座が分かるものと印鑑が必要になります。
- 必要な物は各自治体によって違いますので、前もって何を持って行けばよいかをホームページなどで確認しましょう。
- 本人が手続きする場合、国民健康保険証・本人確認書類(免許証・パスポート・マイナンバーカード) のどれか1点と印鑑が必要ですので、忘れないようにしましょう。
- 本人確認書類(免許証など)の住所が旧住所のままでは手続きが行えない可能性があるので、確認書類の住所変更を先に行っておきましょう。
- 郵送の場合の必要書類
*旧住所の自治体へ郵送する書類
「資格喪失届」「新しく加入した健康保険被保険者証」のコピーと「家族全員分の不要になった国民健康保険証」
*引っ越し先の自治体へ郵送する書類
「健康保険資格喪失証明書」の原本 「世帯主本人確認できる書類のコピー」「世帯主のマイナンバー確認書類のコピー」「必要事項を記入した国民健康保険被保険者資格取得・喪失届」
同じ市区町村で引っ越しの場合の手続き
同じ市区町村へ引っ越しする場合は、同じ市区町村の自治体で住所変更の手続きを行うだけです。
転居届を提出してから、担当の窓口へ行って手続きを行って下さい。
同じ市区町村 | |
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手続きする所 | 引っ越しをする市区町村の 自治体の国保の窓口 |
手続きする内容 | 「転居届」を提出して国保 の担当の窓口 |
本人申請時に 必要な物 | ・保険証 ・本人確認書類 (免許証・パスポートなど) ・マイナンバー |
代理の有無 | 代理人可 代理申請の場合 ・委任状 ・印鑑 ・本人確認書類 が必要 |
提出期限 | 転居後14日以内 |
郵送の可否 | 不可 |
此処で、ポイントです
- 必要な物は各自治体によって違いますので、前もって自治体のホームページなどで確認しましょう。
- 本人確認書類(免許証など)の住所が旧住所のままでは手続きを行えない可能性があるので、確認書類の住所変更を先に行っておく事をお勧めします。
引っ越しなどで国民健康保険の手続きをしなければならない時の注意点
引っ越しによる国民健康保険の届け出をしなかった時におこる問題
本来は住んでいる自治体に保険料を納める事になりますが、引っ越し前の自治体で「資格喪失届」の手続きをしていなければ引っ越し前の自治体と引っ越してきた自治体の両方で保険料を納める事になります。
もし、そのまま気がつかずにいると、保険料の二重払いをすることになってしまいます。
すなわち「資格喪失届」をせずに、保険料を銀行引き落としでしている方は、まったく気がつかないまま、ずっと保険料の二重払いをする事になりかねませんので必ず「資格喪失届」を忘れずに行いましょう。
しかし、2年以内に気がついて、届け出を行えば二重払いした分は全額返金されます。
次に「資格喪失届」の手続きは行ったが、引越し先で「加入届」を出し忘れてしまっていた場合ですが、2年以内なら未納分の保険料を支払えば保険に加入する事ができます。
また、引越し時だけではなく、就職で会社の健康保険に加入した時や結婚で扶養家族になった時なども、必ず「資格喪失届」の手続きをしなければなりません。
引越しの時に「転居届」「転出届」の手続きをしたので、国民健康保険証の「住所変更」も行われるだろうと都合よく思われるかもしれませんが、そんな都合の良い事は有りませんので、必ず「資格喪失届」の手続きを行いましょう。
その他、国民健康保険の二重払いが発生するパターン例
1 前の会社を退職したが、社会保険を任意で継続し、その後同じ月に国民健康保険に切り替えた場合
2 ①と同じで、前の会社を退職したが、社会保険を任意で継続し、そ同じ月に再就職し、再就職先の
会社で社会保険に加入した場合
3再就職前に加入していた国民健康保険の脱退手続きを忘れて、再就職先で社会保険に加入してしまっ
た場合
上記の場合にも国民健康保険の二重払いが発生するので注意が必要です。
国民健康保険に加入前に病院を受診した場合どうなるの?
もし、引っ越しして届け出をせずに病院を受診した場合は、保険対応外になるので、
医療費は全額自己負担になります。
しかし加入手続きが完了すれば保険診療分は払い戻されます。
手続きの途中で保険証が手元にない場合は、自治体の窓口へ行って仮の保険書となる「資格確認書」を受け取る事が可能です。
国民健康保険料は月割りで保険料が徴収されます
健康保険料は日割りではなく、月割りでの支払いになります。
また、引っ越し日によって、保険料の支払う場所が違います。
例えば、ある月の1日に引っ越しした場合の保険料を支払う先は、引っ越し先の市町村に支払います。
また、ある月の中日に引っ越しをした場合は、その月分からは引っ越し先の市町村へ支払います。
そして月末の31日に引っ越しをした場合は、たとえ1日であっても、その月分は引っ越し先の市町村で支払い、前月までの分は元の住所の市町村に支払うことになります。
ここでポイントです
- ここで、「喪失届」や「加入届」を出し忘れたりすると、保険料は引っ越し前の市町村と引っ越しをして来た市町村で支払うことになります。
- 但し、2年以内の場合は未納分の保険料を支払えば保険に加入できます。
- また、2重払いした保険料も2年以内なら、手続きを行えば2重で払った保険料は返金されます。
まとめ
引っ越しをすると、健康保険証の住所変更の手続きを必ずしなければなりません、住所変更の手続きをしないことで起こりうる影響やデメリットをよく理解して、期限までに手続きを終わらせましょう。
手続きの期限を過ぎてしまうと、保険料の二重払いが起こったり、保険診療で病院を受診できなくなり、金銭的な負担が大きくなってしまうというような事も起こりかねません。
引っ越しの作業で時間に追われて忙しいでしょうが、早めに忘れずに手続きを終わらせましょう。
ここでポイントです
マイナンバーカードがあれば、転出届はネットで手続きすると便利です。わざわざ忙しい合間に手続きに行く必要がなくなります。